Opera

Feb 14, 2003


最も使われているWebブラウザは間違いなくInternet Explorer(以下IE)だろう. analog による当サイトの集計でもダントツの1位である. Windowsユーザの中にはIE以外のブラウザの存在を知らない人も多い. ただし,コンピュータ業界の常であるが,最もよく使われているものが最も品質が優れているとは限らない. また,ユーザが多いためウィルスにセキュリティホールを頻繁に突かれているのも周知のことである.

IEはバージョンアップする毎に大きく重くなり,大量のリソースを必要とする巨大アプリケーションになってしまった. OSと完全に融合している(というかOSの一部)から起動は早いが, IEのみのアンインストールはできないし,アプリケーションに配分すべきリソースをOS自身が食い潰している. IEのバージョンアップがOSの機能拡張と同義であるため, アプリケーションによってはインストールする前にIEのバージョンアップをしなければならない有様だ.

次いで使われているのはNetscapeであろうか. かなり前からフリーソフトになったが,Windowsでは苦戦している. ただ,UNIX系OSの場合は事実上これしか選択肢が無い(一部のLinuxディストリビューションではMozillaがデフォルトのブラウザとなっている).

IEよりもコンパクトで軽快なブラウザは無いものかと, 最新版のNetscape7をダウンロードしてしばらく使ってみた. 確かにNetscapeはIEよりもデザイン的に洗練されており,付属のメーラーもOutlookよりは使いやすそうだ. ただし起動の遅さはいただけない. スプラッシュウィンドウが表示されてしばらく待たされる. IEの起動のスピードに慣れているとNetscapeの立ち上がりの遅さには閉口するだろう. 一旦起動するとある程度は軽快に動くが,これとてIEに比べて格段に軽いというわけでもない.

そこで見つけたのが Opera である. 基本的にフリーで利用可能だが,日本語版のver. 6.05ではツールバーの隅に広告が常時表示されている. 邪魔に感じる場合は発売元に4800円(アカデミックは2800円)払えば広告の表示を無くすことができる(少々高いが). 起動時間は体感的にIEと同じくらいだが,HTMLのレンダリングはIEより確実に速い(特に "戻る" と "進む"). また,ページコンテンツをダウンロードしている最中にテキスト,画像および全コンテンツのダウンロード進捗状況や速度が表示される. ズームイン機能があるので,文字が小さいページを拡大して閲覧することが可能だ. Netscapeと同じように,IEの "お気に入り" がブックマークに自動的に取り込まれるので簡単に移行することができる. デザインは好みの分かれるところであるが,IEの外観に慣れていると新鮮味があっていいのではないだろうか. 少なくとも人と違うブラウザを使っているという自己満足に浸ることはできる.

IEとOperaの決定的な違いは,OperaがMDI(マルチドキュメントインターフェイス)であるということだ. 新しいページを開く場合にIEのように別のブラウザが起動してそちらで開くのではなく, 別の子ウィンドウが開く. IEの操作性に慣れていると少々違和感を感じるかも知れない. 各子ウィンドウはブラウザ下部に現われるタブで切り替えることができ, 子ウィンドウを閉じる場合もタブを右クリックして現われるメニューを選択する. ページを閉じようとしてウィンドウ右上のXボタンを押すとブラウザ自体が終了してしまう.

その他特筆すべき機能としてマウスを使ったブラウジング機能(マウスジェスチャーと呼ぶらしい)がある. 例えば,右ボタンを押したまま左クリックすると "戻る",左ボタンを押したまま右クリックすると "進む" という具合だ. 使いこなすにはある程度の慣れが必要だが,面白い機能であることは確かだ. マウスジェスチャーについてはヘルプ以外にも ここ に詳しい説明がある.

サイズも小さくレンダリングも速いのでヨシヨシと思いながらあちこちのサイトを巡ってみると, 時々表示が変になる場合(フォントの色化けやスペーシングの問題)があった. 大方のサイトはIEとNetscepeでの表示保障しかしていないし, レンダリングエンジンの仕様と言ってしまえばそれまでだが.

Operaユーザによる "Operaでも正しく表示を!" 運動も展開されている. 正しく表示されないサイトを見かけたら 専用BBS に報告し, そのサイトの管理者に任意で修正をお願いするというものだ. 有志によるOperaの啓蒙活動は確実に広まっている.

Operaの英語版はver. 7.01でメインバージョンが日本語版より一つ進んでいる. 今度はこちらをダウンロードしてインストールしてみた. 新バージョンではインストール先が旧バージョンから変更になっているので,一旦旧バージョンをアンインストールした方がいいだろう.

Opera 7.01のスクリーンショット

英語版ではツールバーの広告は表示されないようだ. ページ画面をなるべく広げるには,"View" メニューで "HotList","StatusBar" および "PersonalBar" をoffにする. また,ツールバーを右クリックして "Images only" をチェックし,"Large images" のチェックを外す. 英語版といってもメニューが英語になっているだけで日本語のページでも上手に表示する. 日本語化の動き もあるようだが特に不自由を感じることもなかろう. 旧バージョンで表示に難があったページも問題なく表示できた. たまに日本語のエンコードに失敗することもあるが英語版だから仕方が無い. そのときは "View" メニューから "Encording" をクリックし,"Japanese" から適切なコードを選択してやればよい.

ver. 7.01 ではIEの "お気に入り" が自動的に取り込まれないようだ. 手動で取り込むには,"Bookmarks" メニューの "Manage bookmarks" を選択し, "Import" ボタンをクリックして ".url" ファイルがあるフォルダを指定する. 予めOperaに登録されているブックマークを全て消し, IEのFavoritesフォルダ以下をそっくり取り込めばIEと全く同一のブックマーク構成にすることができる.


お問い合わせはメールにて: akasaka@klc.ac.jp

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