ジャンクのAX64Pro

Feb. 12, 2002


週末にアプライドで動作不良・返品不可のジャンク として売られていたAOpenAX64Proを 買った. 例によって980円だった. 今までアプライドで買ったジャンクマザーとは,

980円のSocket370マザー
980円のSlot1マザー
CyrixIIIを使ってみる

に書いたようにいずれも好成績を収めている. ただし,全部がマトモに動いたわけではなく,やはり980円で買ったAsusのP3V4XはVcoreが 全く安定せず,KlamathコアのPentiumIIでしか使えなかったし,ECSのP6BXT-A+はCPUファン さえ回らなかった. 動作不良として売られている以上それなりの不具合があって当然なのだが, どういうわけか正常動作するものも含まれているというのも事実だ.

あくまで推測だが,動作不良として売られているマザーはほとんどが単なる未チェックなのではないだろうか. カード類やドライブ類と違って,マザーのチェックはかなり面倒くさそうだ. 状態を完全に把握しようと思えば,コアの異なるいくつかのCPUでテストしたり,FDDやHDDを繋いで きちんと使えるかまで検証する必要がある. 店側では,「動くかも知れないけどそういうチェックをしていないからもしかしたら不具合があるかも知れません. その代わり値段を安くします.」というスタンスなのかも知れない.

先日もAsusのP2L97が動作不良品として大量に売られていた. 同じマザーの動作不良品が同時に発生するとは考えにくいから,おそらくリース切れで引き上げてきた マシンから取り出したものだろう. これらのマザーの全部をいちいちチェックして売ったとしても,FSB133MHzやATA100が当たり前の昨今では440LXマザーの価値は低い. したがって,動作不良品として格安で売っているのではなかろうか. 実際,正常動作を保障されている中古マザーの価格は(Socket7などの古いマザーを除いて)意外に高い. これは,マザーの動作検証に時間と労力を要する証拠だ.

さて,ジャンクのマザーは段ボール箱の中に無造作に入れられていることが多いのだが, 今回のAX64Proは,ジャンクの割には透明なプラスチックのケースに入れられていた. 店の外に置かれた箱に入れられていたのが少々気にはなったが, 見たところ基板上の損傷は無く綺麗だったので, いつものように動けば儲けものという程度の期待を込めて買ってみた. ジャンクを買うときに過度の期待は禁物である.

基板上の損傷をチェックする際に,電池とBIOS ROMがハイエナされていないことを確認したのは言うまでもない. ここで気が付いたのは,BIOS ROMらしきものが直付けになっていたこと. メーカー謹製のマザーなら別段珍しいことではないが,自作ユーザ向けの汎用マザーでは たいがいDIP形状(いわゆるゲジゲジ型)かPLCC形状(キャラメルみたいな形)のROMが抜き差しができるように なっているのが普通である. しかし,なぜかこのマザーは通常のPLCCよりもやや小さなROMらしきものが,二個並んで直付けされていた.

帰りにとなりのじゃんぱら空港通り店に 立ち寄ったら,SeagateST15150W(4GBのバラクーダ,7200rpm,フルハイト) が1980円で出ていた. おっ!と思ったが,値札をよく見ると,小さく

Badあり

と書かれている. ややもすると見逃してしまうくらい小さな字である. 店員にどのくらいBadがあるのかと尋ねると,小さいのが一箇所だけだと言う. 店員が続けるには「このHDDは同じものが複数個入荷したが,それまでRAIDで使われておりどれも同じ箇所にBadがあった」そうだ. さらに,その店員は,

「こちらでLow Level FormatするとどれもBadが消えました.」

と言っていた. 店員の話を信じるなら即買いだが,それならばどうして今売られているHDDもLLFしてBadを消してから 売らないのだろうという疑問は残る. まぁ1980円で4GBだし,久しぶりにLLFでもしてみるかと思い,一緒にいた友人も道連れにして買ってみた.

マザーとHDDの両方生きていたら,このマザーに適当なSCSIカードを差してHDDをLLFするのがベストだなどと 考えながら大学まで持ち帰った.

さて,AOpenのサイトでAX64Proのスペックを確認してみると,チップセットはVIA Apollo Pro 133Aで FSB133MHzのCoppermineにも正式対応している.サウスブリッジはUltra ATA66までの対応で AC97音源内蔵である.

特筆すべきはAOpen初のダイハードBIOS搭載マザーということ. 右の図に示すようにBIOS ROMが二つ並んでいるが,片方は非常用で完全に読み出し専用なのである. したがって,もしBIOSのアップデートに失敗しても, ジャンパを切り替えることにより非常用のROMから起動することができるのだ.

AX64Proの動作を検証する.CPUはSECCのCeleron266MHzを使い,64MBのSDRAMとMilleniumII AGPを差して 起動すると,一瞬間があったが,めでたくAOpenの起動ロゴが現われた. BIOSメニューに入りVcoreを確認してみると,正常に2.0Vが出ているようだ. BIOSのリビジョンは1.02だった. このリビジョンはマザーのリリース直後のもので,少々古い.CyrixIIIもサポートされていない. 早速AOpenのサイトから最新の1.10をダウンロードしてアップデートした. 本来,BIOSアップデートには慎重だが,何と言ってもダイハードBIOSなので安心である.

次はバラクーダである. SCSIカードはIwillのSIDE-2935UWを用いた. ケーブルを繋ぎ電源を入れてみるがバラクーダが動いている様子は無い. 2935UWのSCSIバススキャンではタイムアウトしてしまった. 全く動かないはずはないが... と思いながら,次はfukunm1に差してあるI/Oデータの SC-UPCIにバラクーダを繋いでみた.

電源を入れてみたがやはりディスクが回転している様子が無い. SCSIバススキャンでもタイムアウトしてそのままWinMeが起動してしまった. 「う〜ん,はずれを掴まされたか...」と思っていると,忘れた頃にバラクーダがキーンというジェット機のような音を立てて回り始めた...

どうやらこのバラクーダは回転を始めるのを遅らせる設定(Delay Motor Start)になっていたようだ. そのためと思しきジャンパをオープンにして再度チャレンジすると,電源投入と同時にモーターが回り始めるようになった. RAIDで使っていたらしいので,電源ONでディスクが一斉に回りだして過負荷にならないように, 何台かは回転の開始を遅らせるように設定していたのだろう.友人が買ったのもやはり同じ設定になっていた.

とりあえずこの状態のままで(LLFせずに),WinMe上からFDISKとFORMATを行ってみた. 一瞬異音が聞こえたものの,不良セクタなしでFORMATが終了した. ファイル転送も問題ない. 念のため,最初の予定通りSIDE-2935UWからLLFした.LLFは約1時間で終了.

それにしてもこのバラクーダの音は凄まじい.先日購入したST19171Wに 比べるとはるかに音が大きく,とても日常用途には使えそうにない. シーク音は大した事無いのだが,ディスクの回転音は相当なものである. そういえば昔使っていたHPのWSがこんな音を出していた. 停電の前にWSをシャットダウンすると,部屋の中が静寂に包まれたのを思い出す.

どうもこのバラクーダは,たまにしか使わないCD-R焼きマシンとかの用途しかなさそうだ. 買い物に付き合わせた友人にはちょっと悪いことをした.


お問い合わせはメールにて: akasaka@klc.ac.jp

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