劇貧マシンの製作

April. 21, 2001


知り合いからとりあえずWindowsが動けばOKというマシンの製作を頼まれた. 自社開発のソフトウエアをインストールして客先に持っていくのだそうだ. "とりあえずWindowsが動く" レベルの劇貧パーツならたくさんあるので,二つ返事で引き受けた. 依頼主には何かとお世話になっているので,今回は無償で提供することにした.

パーツの選択

CPUは当然Socket7にする. 最初はMII-300GPを考えたが,劇貧マシンには少々もったいない. ここは1ランク下げて6x86L-200GPにした. 75MHz*2の150MHzで動作し,コア電圧は2.9Vである. 発売当時は外部75MHzで動くCPUは珍しかった. マザーは先日夢の島で当選したECSのP5SD-Aを使うことにした. SiS5591/5598が載っている. 6x86L-200GPが要求する2.9Vが出せるし,SIMMスロットが4本あるのが大きい. やはり先日,夢の島で4MB,8MB,16MBのSIMMが大量に当たったので,これを使わない手はない. 同じSiS5591/5598を載せたGiga-ByteのGA-586SGMも考えたが,こちらはSDRAMしか使えない. 劇貧マシンにSDRAMはどう考えてももったいない.

マザーにはAGPスロットがあるが,劇貧だからおのずとビデオカードはPCIになる. 最初は初代Milleniumにしようと思ったが, 今でも十分使える2Dでの性能の高さと発色の良さを考えると,これも少しもったいない. 次に,これまた夢の島で当たったVision 864のカードも考えたが, こちらはいくら劇貧といえどもWindowsで使うには性能的に問題がある. いろいろ迷った挙句,数日前にアプライドに行ったときに大量に売られていたノーブランドのTrio64Vを 載せたカードにすることにした. VRAMは多分2MBだろうが,1024*768でHigh Colorまで行ければとりあえずは問題ないだろう.

劇貧マシンを作るときに一番頭を悩ますのがHDDである. 4GBぐらいの中古でも5千円はする. なるべく出費を抑えたいところだが,今回はちょうどいいのが手元にあった. Western DigitalのWDAC33200である. 先日,前にいた研究室から「調子が悪い」ということで頂いてきたものである. ちょっと見た感じではまだ使えそうだったので,これを使うことにする.

ケース,キーボード,マウスは新品を買う. やはり目に付くところは美しくしなければならない. サウンドカードとNICは後で希望があれば付けることにした.

組み立て

ケースはアプライドにあった3480円のATXミドルタワーにした(上の写真参照). 電源は250Wである. 値段が値段だけに剛性は低そうだし,カバーはコの字型だが,実際に組み立ててみると意外に使いやすい. 縁の面取りはきちんと施してある. 何より良かったのはATマザー用のバックパネルが付属していたこと. 今ごろになってATマザーばかり買っている 某氏にも教えてあげよう. マザーの取付板には,ATXの穴の横には「A」,Baby-ATの穴の横には「B」, 両方の場合は「A+B」と刻印されていた. こんな親切なケースは今まで見たことがない.

ビデオも予定通りアプライドで買った. 一応動作確認済みのようで,1000円だった.

マザーにCPUと40MB分のSIMMを取り付け,ケースにマザーを組み込んで電源を入れると 正常にBIOSが立ち上がり,CPU,メモリとも正常に認識された. FDDは手持ちのものを使う予定だったが,フロントベゼルがないFDDしかなかったので, fukunm1のFDDを取り出して使うことにした. fukunm1にはフロントベゼルなしのFDDを代わりに取り付けた. 少々見栄えは悪いが,fukunm1ではフロッピィが読めさえすればよいので全く気にしない. CD-ROMドライブもfukunm1の6倍速ATAPIを外して使った.

さて,HDDであるが,WDAC33200を繋いでみるとBIOSから全く認識されない. ジャンパ設定等を見直してみたが,結果は同じである. やはり本当に調子が悪いのだろうか. 起動時には正常にスピンアップしているようなので,基盤かファームウエアが故障しているのかも知れない.

それでは最近いくつか手に入ったSCSIのHDDにしよう!

とは思わなかった. 劇貧マシンにSCSIのHDDはどう考えても不釣合いである. ここは以前Yahooのオークションで落札したQuantum Bigfoot 1280ATを使うことにした. 珍しい5インチのHDDである. 容量的にはちょっともの足りないが,これで勘弁してもらおう.

とりあえず組み立ては終了し,Windows 98SEのインストールも問題なく完了した. チップセットも正常に認識されている. ビデオカードのVRAMはやはり2MBであった. AGPカードを使っていないので,AGPドライバはインストールしなかった. 最終的な構成は以下のようになった. かかった費用はケース,キーボード,マウス,ビデオカードでちょうど6000円である.

CPU Cyrix 6x86L-200GP
M/B ECS P5SD-A
Mem FirstPage SIMM 16MB*2 + 4MB*2
Videoノーブランド Trio64V 2MB
HDD Quanum Bigfoot 1280AT 1.2GB
CD-ROMIBM ATAPI 6倍速
FDD2mode

使ってみた感じであるが,やはりお世辞にも速いとは言えない. 特にHDDの遅さが気になる. 設定でDMAを選択しても体感的にあまり変わらない. 今後使っていくことを考えてWindows 98SEをインストールしたが, Windows95ならもう少し快適に使えるだろう. Linuxならサクサク動くスペックである.

ベンチマークの結果を見ても最近のマシンには遠く及ばない. 6x86L-200GPは4年くらい前なら最高性能のCPUであったのだが... 当時から浮動小数点演算の遅さが指摘されていたが,確かに遅い. でも,劇貧マシンだからこれでいいのである.


お問い合わせはメールにて: akasaka@klc.ac.jp

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