帰ってきたthermd28

Sep. 25, 2001


久しぶりにハードウエアの話を書く.

以前所属していた研究室 に置いたままにしていた マシン が手元に戻ってきた. 主に留学生や学部生が使っていたらしいが,ある日突然ウンともスンとも言わなくなってしまったらしい. 戻ってきたときのこのマシンのスペックは

CPU AMD K6 200MHz
M/B Epox P55-VP
Memory EDO DRAM 48MB
HDD IBM DAQA32160 2.1GB
FDD 2mode
CD-ROM MITSUMI 4X ATAPI
Video #9 Motion 771(Vision968) 2MB PCI
NIC ナカガワメタル TR-PCI-10
case ATミニタワー

というものであった. 今となっては何ともつましいスペックであるが,元気なときはWindows98が快調に動いていたらしい. なお,このマシンを使っていた学生は,代わりに

Pentium4の1.4GHzマシン

を買ってもらったということで,隔世の感がある.

さて,戻ってきたマシンの司法解剖を試みた. 突然動かなくなったということなので,電源が逝ってしまったのだろうと思っていたが, 電源スイッチを入れるとCPUファンが回り始め,ケースのLEDが点灯した. 電源自体は生きているようだ. ただし,なるほどディスプレイには何も表示されない. VGA信号自体がディスプレイに来ていないようだ.

FDD,HDDおよびCD-ROMのコネクタをマザーから抜き,電源コネクタも抜いて,CPU,メモリ,ビデオカード のみの構成にして再度電源を投入してみたが,やはり何も表示されない. 電源を別のものに交換して試してみたが結果は同じである.

ケース内部をよく眺めてみると,HDDを取り付けてあるブラケットとメモリが干渉しているように見えた. このケースはHDD取り付け用のブラケットがマザーに覆い被さるように位置しているのである. ブラケットを外すと確かにメモリの上端と接触しており,メモリが斜めになっていた.

メモリを差し直して再度起動してみたが,やっぱり何も表示されない. メモリは16MBが2枚,8MBが2枚の構成だったので,16MB2枚だけにしたり8MB2枚だけにしてみたりしたが, 結果は変わらない.

ビデオカードをノーブランドのTrio64に変えてみてもダメ. CMOSバックアップ用の電池を他のマザーから抜いて交換してみてもダメ. あと考えられるのは,何らかの原因でマザーかCPUが死んでしまったことぐらいである. ただ,オーバークロックをやっていたわけでもないので,突然マザーやCPUが逝ってしまうことは考えにくいが...

CPUをP54Cの100MHzに交換してみた. 果たして,ディスプレイにエナジースターが登場し,BIOSのPOSTが正常に行われた. CPU以外の構成を元に戻してみたが,一応正常に起動する.

ただし,ここで死因をCPUと決めつけるのは尚早である. 確かにCPUが正常に動いていなかったのは事実であるが, マザーからの電力供給に不具合があった可能性も考えられる. このマザーはVcoreが2.9VまでのCPU,つまりP55C,AMD K6,Cyrix 6x86Lまで対応している. この頃のマザーには,このマザーがそうであるように, 電圧降下にスイッチング回路ではなくドロップレギュレータが使われているものが多い. 長年の使用でレギュレータ周りの回路が疲労し,正常な電圧をCPUに供給できなくなっているのかも知れない. P54Cはシングルボルテージであるから,レギュレータがへたっていても問題ないのである.

CPUが正常か否かを確かめるために,TMC TG5VG+にK6を載せてみた. いつもIDE HDDのLLFに使っているマザーである. 結果は×.起動しなかった.これでCPUが死んでいることがはっきりした.

今回は手持ちのVcore 2.9VのCPUが他に無かったので(K6-233で試すのはちょっと危険だし, MII-300GPはおそらくマザーが対応していないだろう),マザーのレギュレータのチェックは出来なかった. CPUの亡骸は遺品のファンと共に学生に進呈した. 最近自作を始めたその学生は,電源をマザーからではなくコネクタから取るタイプのファンを初めて見たらしく,

「めずらしいファンですね.」

と言っていた.


お問い合わせはメールにて: akasaka@klc.ac.jp

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