劇貧Webサーバの製作

June 2, 2001


パーツの選択
組み立て
RedHat 6.2のインストール


パーツの選択

このサイトを運営していた fukunm12が突然お亡くなりになってしまった. 停電があったので,事前にシャットダウンし,復電後に起動しようとすると途中で止まってしまうのである. ファイルシステムのチェックの途中でフリーズする. レスキューモードやシングルユーザモードでの起動を試してみたが,いずれもログイン画面まで到達しない. 他のHDDにLinuxをインストールし,元々のHDDのパーティションをマウントしてみようとしたが, 運の悪いことに/home以下だけがマウントできずI/Oエラーとなる(/,/usrおよび/varはマウントできた).

サーバ上のデータが無くなってしまうのはちと惜しいが,どうせローカルにオリジナルのデータがあるし, この際だからサーバを再構築してみようと思い立った. このサーバは昨年,CGIの勉強のためにあり合せのパーツを組み合わせて作ったので, Webサーバとしては多少オーバースペックとなっている. 1日せいぜい100ヒット程度のWebサーバなのにK6-2 300MHzはもったいないし, VGAしか使わないのではMistyqueも意味がない. それにケースも苦労して手に入れたGTケースである.

新たに構築するサーバは思い切ってグレードダウンした 劇貧仕様とし,以下の構成を考えた.

CPU
夢の島でもらったK5-PR133にする. シングルボルテージのCPUだ. ヒートシンクだけでも大丈夫だと思うが一応ファンも付ける.

マザー
今まで使っていたSP-97Vでもいいのだが,SP-97Vは他にもいろいろと使い道が ありそうなので,以前じゃんぱらで買ったAsusのTXP4を使う. 430TX搭載のATマザーである.

ケース
現在fukunm1に使っているATミドルタワーにする. じゃんぱらで1280円で買ったケースだ.

メモリ
今までは96MB積んでいたが,Webサーバ用途だけなら32MBで十分だろう.

NIC
今まで使っていたELECOM LD-PCITLを使う. NE2000互換のRealTek 8029だが,10baseでもいいだろう.

ビデオ
映ればなんでもいいので,アプライドで200円で拾ったビデオカードを使おう. Trident TGUI9680が載っており,一応PCIである.

HDD
悩んだのはHDDである. 手持ちのIDEはどれも難ありで,不良セクタを避けてパーティションを切れば 使えないことはないかも知れないが,サーバ用として使うには少し気が引ける. SCSIだとConnerのCFP1080Sがあるが,容量が1GBではちと足りない. 先日ワークステーションから取り出したSeagateのST34520Nもあるが, 一昔前の7200rpmだし,連続運用するにはファン等で冷却する必要があるだろう. 今回の教訓から,少なくとも/(ルート)と/homeにマウントするパーティションは別々のドライブに分けたいので, もう1台SCSI HDDを購入し,ConnerのCFP1080Sと共に2台体制で行くことにした.

HDDを探しに行くと,じゃんぱらにIBMのDPES-31080が1980円で出ていた. CFP1080Sと併せて2GBあればとりあえずは間に合う. 4XのSCSI CD-ROM(こちらもIBM製)も980円で出ていたので,こちらも購入した. 劇貧でもALL SCSIの構成にしよう.


組み立て

さて,組み立てである. ATケースにTXP4を組み込んでCPU,メモリ,ビデオを取り付け動作を確認する. 正常に起動した. 200円のビデオカードも特に問題なさそうだ.

HDDとCD-ROMはいずれもFast SCSIなので,SCSIカードはTekramDC-390にする. 昔,AdaptecのPCI SCSIカードが2万円以上していた頃,半額以下で買えたカードである. DC-390を差してHDD,CD-ROMをケーブルで繋ぎ起動してみる.

画面は真っ暗のままである. HDDにアクセスしている音はする. ビデオカードとSCSIカードを差す位置をいろいろ変えてみたが,ダメである. SCSIカードを抜くと正常に起動する. SCSIを同じくTekramのDC-390Uや I/OデータのSC-UPCIに変えてみても結果は同じである. どうやら200円で拾ったビデオカードは,他にPCIカードが刺さっていると正常に機能しないようである. 本当のところはどうか分からないが,とにかく今の環境ではそうである.

このビデオカードが使えないとなれば,今まで使っていたMistyqueを使うしかないが, そうすると劇貧サーバでなくなる(別に劇貧でなくてもいいのだが...). もう一つ選択肢がある. ET4000を載せたISAのビデオカードである. 夢の島でのもらい物だが,もらった当初はどれかのマザーに差してみても画面が出なかった.

もう一度このISAカードに挑戦してみよう. 箱の奥から引っ張り出してマザーに差してみる. ISAバスにカードを差すのは久しぶりだ. 電源を入れるとあっさり画面が現れた. DC-390を差していても問題ないので,このISAカードを使うことにした. 2台のHDDとCD-ROMも正常に認識されている.


RedHat 6.2のインストール

使い慣れたRedHat6.2をインストールする. CD-ROMからブートできれば楽なのだが,DC-390のBIOS設定にはCD-ROMからのブートを有効にする オプションは無かったので,例によって起動ディスクを作成した. 起動ディスクから起動すると,NIC,SCSIカード,CD-ROMすべて正常に認識された. GUIでのインストールの方が簡単なのでとりあえずシリアルマウスを繋いでいたが, Xの起動には失敗したようで,テキストモードでのインストールになった.

CFP1080Sを/に,DPES-31080を/homeに割り当て, カーネル本体,apache,gccおよびg77をインストールした. これだけで約300MBである. その後,ファイアーウォールの設定を行った. 今まで通りtelnetとftpは同じセクションのみからアクセス可とし, それ以外のデーモンはすべて停止させた.

次にxntpをインストールし,時刻を合わせた. さらにfetchmailの設定を行い, 外部からもpop可能とした. 最初はqpopperをコンパイルする際に--enable-specialauthオプションを付け忘れたため, クライアントからメールをpopすることができなかった. 以後気をつけよう.

最後にCGIが使えるようにhttpd.confを書き換え,移行完了である. これを書いている時点で運用開始から5日目だが,問題なく動いている. Webサーバとしてのレスポンスも以前と変わらない. ただし,PROPATHの 新バージョンをg77でメイクするときには相当時間がかかったが.


お問い合わせはメールにて: akasaka@klc.ac.jp

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