xwpeを使ってみる


Linux上ではいろいろな言語のコンパイラがフリーで利用でき,大変ありがたいのだが, 私のようにWindows上のDelphiやVisual C/C++のようなGUIの統合環境に慣れていると, いまさらコマンドベースのコンパイラやデバッガは使いにくい (大昔はVzエディタでコードを書き,MS-FORTRANをコマンドラインから使っていたのだが...). LinuxにもgdbのGUIフロントエンドなどがあるらしいが,通常のWindowsアプリケーションとは 異なっているためちょっと取っ付きにくそうだ.

使いやすいGUIの統合環境が無いものかと探していると,xwpeというアプリケーションを見つけた. 以下に示すように,これは一世を風靡したTurbo PascalやTurbo Cの画面に似せて作られており, メニュー体系や使い方がWindowsの開発ツールとよく似ている. 私はTurbo Pascalの大ファンだったので,これはイケル! と思い,先日インストール したVine Linux 2.1.5にインストールしてみた.

最初にRedHatのサイトのダウンロードメニューからxwpeのrpmを検索した. xwpe関連のバイナリは二種類あり,一つはxwpeの実行に必要なライブラリ,もう一つはX Window上で動くxwpe本体 である. 検索で見つかったrpmは

xwpe-1.5.23a-4.i386.rpm
xwpe-X11-1.5.23a-4.i386.rpm

である.前者がライブラリで後者がプログラム本体である.

これらをそのままインストールした場合,Vine Linuxのカーネルは2.2なので2.4向けのバイナリは うまく動かないかも知れない(Vine LinuxのサイトにもVine向けにメイクされたバイナリを使うように書かれている). そこで,ライブラリのソースrpmであるxwpe-1.5.23a-4.src.rpmをダウンロードし,バイナリrpmを作成した. 適当なディレクトリで

% rpm --rebuild xwpe-1.5.23a-4.src.rpm
とすればxwpe-1.5.23a-4.i386.rpmが作成されるので,こちらをインストールした. インストールは,suしてから
% rpm -ihv xwpe-1.5.23a-4.i386.rpm
とすればよい. なお,プログラム本体の方はソースrpmが見つからなかったので,RedHatのサイトから ダウンロードしたxwpe-X11-1.5.23a-4.i386.rpmをそのままインストールした.

インストール後,コマンドラインから

% xwpe &
とすればxwpeが立ち上がる.

メインメニューの "Option" − "Compiler" で各種コンパイラの設定を行う. xwpeは特定のコンパイラに依存しておらず,ここでコンパイラごとのオプションを適切に 設定すればどのようなコンパイラでも使うことができる. 以下はcのコンパイラにgccを使い,mathライブラリをリンクするように設定しているところである. GNUのコンパイラを使う場合は "Compiler - Style" で "GNU" を選択した方がいいようだ.

"Run" − "Make" でメイク,"Run" − "Run" で実行である. ブレークポイントを設定するには,カーソルをソースコード中の設定したい行に合わせて "Debug" − "Toggle Breakpoint"を 選択する(選択された行が反転表示される). デバックを開始するには "Debug" − "Run/Continue" を選択する. 以下はブレークポイントを設定した行で実行が停止しているところである. 変数をウオッチする場合は,"Debug" − "Make Watch" でウオッチしたい変数名を入力する.

F7でトレース実行,F8でステップ実行である. このあたりのキーアサインはDelphiと同じである(DelphiはTurbo Pascalの直系子孫だ). もちろんプロジェクトの管理機能もあり,"Project" メニュー以下のメニューで プロジェクトの作成,ソースコードの追加および削除,実行バイナリのファイル名などを指定することができる.


お問い合わせはメールにて: akasaka@klc.ac.jp

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